無線APが壊れるなんて…?想定外が現実になる日
「今どき、無線アクセスポイント(=以降、無線AP)なんてそうそう壊れない」
そう思っていた私にとっても、これはほぼ“初体験”でした。
“壊れないはず”が壊れた夜
ある日の夜、とあるお客様先から「無線が急に繋がらなくなった」との連絡を受けました。
最初は「設定が飛んだかな?」「電源が落ちたかな?」程度の軽い想定でリモート接続を試みましたが、様子がおかしい。
現地で確認しても、ランプは不自然なまま、最終的には完全に電源が入らなくなるという状態に。
ハードウェアの故障――それも、メーカー保証(5年)切れ直後というタイミング。
「本当に、無線APって壊れるんだな…」という現実を、目の前で突きつけられました。
通信ゼロのオフィス、そこに残された選択肢は
トラブル自体も驚きでしたが、それ以上にインパクトが大きかったのが状況の悪さでした。
- 社員のノートPCはLANポートのない薄型タイプが主流
- 無線APがダウンしたことで、インターネット接続手段が完全に消失
- オフィスは地下にあり、携帯の電波がほぼ入らずテザリングも不可能
- 近隣に家電量販店なし。夕方に出ても、戻る頃には夜
つまり、「即日復旧」の選択肢が、実質ゼロに近い状況だったんです。
ワークアラウンド=時間を買うという判断
このまま業務が止まるのは避けたい。そこで翌朝、応接室に取り付けてあった**別の無線AP(天井設置)**を取り外し、執務エリアへ仮移設しました。
もちろん応急処置なので、天井に吊るす余裕もなく、目立つところに一時的に設置。
でもこれで、「通信ゼロ」状態から脱し、社員のみなさんは業務を再開できるようになりました。
同時並行で、新品APの発注と交換計画を進行。
「一時しのぎに家庭用ルーターで間に合わせる」案も一瞬浮かびましたが、将来性や安全性を考えてあえて“時間稼ぎ”を選び、質を落とさない判断をしました。
ノートPC+地下+ロケーション=三重苦の落とし穴
今回の一件で改めて痛感したのは、「想定外の重なりが、復旧不能のトラップになる」こと。
- ノートPCがLANポート非搭載(=有線接続不可)
- 地下で携帯電波も圏外(=テザリングも不可)
- 郊外ロケーション(=即日調達困難)
この3つが揃うと、「APが壊れたらどうするか?」という当たり前の代替手段が、何一つ使えない。
普段なら「HUBとLANケーブルを用意しておけばOK」と済む話が、すべて通用しない環境だったんです。
準備の「視点」をアップデートする
「無線APなんて、壊れないだろう」
「何かあっても、すぐどうにかなるでしょ」
――そういう“楽観的な常識”が、このデジタル時代でもまだまだ根強く残っています。
でも今回のように、ノートPCのスペックや執務環境の特徴によっては、ちょっとしたトラブルが致命傷になる可能性がある。
これは、単なるトラブルシューティングではなく、企業のリスクマネジメントの一環として見ておくべき話です。
おわりに:現場には、教科書にない現実がある
今回のような「まさか」の連続は、正直なところ、頭ではなく身体で学ぶしかないのかもしれません。
現場には、マニュアル通りにいかないリアルがある。
そしてそこにこそ、私たちIT支援者の価値が試される場面があると感じます。
もし「今の自社の環境、ちょっと不安かも…」と思ったら、
一度、“無線APが壊れたら”という想定から、社内のインフラを点検してみるのもおすすめです。
想定外をゼロにすることはできない。
でも、想定外への備え方は、自分たちで変えられる。
そう信じて、これからも一歩ずつ、現場と向き合っていきたいと思います。
